生活習慣病とは、食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒など生活習慣が、発症・進行に関与する疾患群であり、がん(悪性新生物)、心疾患(狭心症や心筋梗塞などの心臓病)、脳血管疾患(脳梗塞やクモ膜下出血などの脳の病)などの病気が含まれます。但し、生活習慣病の発症には、生活習慣だけでなく遺伝的要因などの複数の要因が影響するという点に配慮が必要です。生活習慣病は、日本人の死因の半数以上を占めています。特に、がんは30年以上連続で日本人の死因の第1位となっています。
また、がんに次いで多い死因である心疾患や脳血管疾患は、動脈硬化が要因となる病気です。特に、お腹の周りの内臓に脂肪が蓄積した「内臓脂肪型肥満」に糖尿病、高血圧症、脂質異常症といった病気が複数重なると動脈硬化を進行させ、こうした命に関わる病気を急速に招く危険性が高まると言われています。
このように内臓脂肪型肥満に加えて、これらの病気の危険因子をいずれか2つ以上併せ持った状態を「メタボリックシンドローム」と言います。なお、メタボリックシンドロームが強く疑われる人あるいはその予備群と考えられる人は男女とも40歳以上から増加し、男性では50歳以上で半数以上、女性も60歳以上で5人に1人という割合に達しています。(「令和元年国民健康・栄養調査報告書」より)
初期の生活習慣病は特に自覚症状がないことが多いため、いつの間にか病気が進行してしまう危険があります。そのため、定期的に健診を受けて自分自身の健康状態を常に正しく把握することが、生活習慣病の早期の発見・治療に重要です。
生活習慣病の予防や早期治療につなげるために、職場や地域では、メタボリックシンドロームに着目した「特定健診(いわゆるメタボ健診)・特定保健指導」を毎年実施しています。健診(検診)は、健康なうちに受診してこそ意味があります。「時間がない」「元気だから大丈夫」などと考えず自分の健康のため、是非定期的に受診してください。